今更聞けない絵本の魅力!現役保育士が解説

絵本で育児
子どもに絵本を読む機会はありますか?

今回は絵本の魅力についての記事です。

日頃から家庭で絵本を読んでいる方も
「あんまり読んでいないやー」という方も
絵本の魅力や効果を
一緒に確認してみましょう!

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🧩絵本の種類

ひとくちに絵本と言っても
その種類は様々です。

ジャンルを分けてみると

伝承 - 昔話や寓話など、
      古くから語り継がれているもの。
自然 - 生き物や植物、季節の特色や
      移り変わりなどに触れているもの
物語 - 起承転結で話が展開されていくもの
教訓 - 教育要素を多く含むもの。
仮想 - ファンタジー。
      現実世界では起こりえないできごと。
図鑑 - あるものを特集して、
      まとめられているもの。
などなどたくさんあります。

絵本ならではの特徴として、
日常の生活のなかでは絶対に起こりえない
動物や食物、無生物たちが
急にしゃべり始めたり、
動き出したりするのって
当たり前になっていますよね。

『絵本だから…』と、
ファンタジーの世界を許容しやすい
のも
絵本ならではです。

絵本を読むことで、
いったいどんな効果があるのでしょうか。

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🧩【絵本の効果・特色】

絵本を読んで得られる効果
絵本ならではの機能の特色を
あげていきます。

🧩Ⅰ【言語の獲得・新しい知識を得る】

Ⅰ【言語の獲得・新しい知識を得る】
🔵普段の関係の中では使われない
 絵本特有の言い回し
 やり取りを学ぶことができる。

🔵身の周りの生き物の生態や
 自然・季節・科学の基礎など

 知ることができる。

🔵新しい言葉や
 これまで知らなかった言葉を
 獲得することができる。

 (語彙力の強化)

🧩Ⅰ【解説】

🌱会話では使わない日本語

普段の家族や友達や
保育者との言葉のやり取りでは、
実は使われる言葉は結構限られています。

毎日同じような生活をしていると、
見通しがつきやすく心は安定していきます。

いっぽうで言葉や単語を
どれだけ知っているか
どれだけ使えるかという力をはぐくむ
には
もうひとつ刺激がほしいところです。


例えば昔話では、

「あいすまんが、水を汲んできてくれんかのぉ」
というおばあさんがいたり

「一粒のまめっこさぁ、千粒になぁれ」
というおじいさんがいたりします。

日常では絶対に使わない言葉ですよね。

ですが、挿し絵や物語の話の流れから
自然と知らない会話も自分の中に

未知の言葉を落とし込むことができます。

🌱四季を疑似体験する

当たり前ですが、
自然や季節はその季節にならないと
体感することはできません。

ですが、絵本を通すことで、
先にその世界を疑似体験をできたり、
後から読むことで過去の経験を
思い返すことができます。

想像の世界に浸るのも
また絵本ならではの魅力ですね!

🟢「つららってなに?」
🟢「汗ってなんでかくの?」
🟢「川はどこに流れていくの?」
🟢「アリの巣の中ってどうなっているの?」
など

生態系や自然現象や科学に
触れる機会になり、
自分の中で考えたこともなかった
新しい世界に連れて行ってくれます。

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🧩Ⅱ【想像性をはぐくむ】

Ⅱ【想像性をはぐくむ】
🔵家族・友達以外の
 豊かな登場人物に出会える

🔵自分が体験していないこと、
 体験できないことを疑似体験・追体験できる。

🔵想像・空想の世界に自由に浸って楽しむ

🔵静止絵の中の登場人物たちを
 頭の中で自由に想像し動かす

🔵死と向き合う


🧩Ⅱ【解説】

🌱疑似体験すること

絵本にはたくさんの登場人物が出てきます。

絵本を読んでいくなかで、
登場人物に思いをはせて、
強い自分になれたり、
急なハプニングに巻き込まれたり、

主人公たちと思いを共有していきます。

それには想像力が必要です。

自ら経験したことがないことでも、
主人公になりきることで、
その場の緊張感や、緊迫感を
一緒に体験することができます。

🌱死に触れること

また、ときには死という概念に出会い
普段の生活では、触れる機会の少ない
命の尊さに触れることができます。

反対に、
死が安心につながることもあります。

妖怪や化け物が死ぬ話では、
相手が死んだ(=蘇らない)」ことで
”現実世界には現れなくて済む”という
安心感につながっていきます

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🧩Ⅲ【スキンシップとコミュニケーションの時間】

Ⅲ【スキンシップとコミュニケーションの時間】
🔵安心できる大人の心地良い声を聞きながら、
 ゆったりとコミュニケーションがとれる

🔵ドキドキする気持ちや自分の思いを
 共有することができる


🧩Ⅲ【解説】

🌱大人が読み聞かせるということは

安心できる大人の声は、
とても心地が良いものです。

気持ちが安定しているなかで、
膝の上に座って読んだり、
一緒に寝転がって読んだりすると
リラックス効果があります。

🌱触れながら読むことで

そばに寄り添い触れ合っていることで、
愛着を司る【オキシトシン】
幸せと安定を司る【セロトニン】
痛み止め作用の【βエンドルフィン】

分泌されます。

こちらは絵本を読んでいなくても
分泌されるものです。

科学的な根拠があるということにも意識して
お子さんとスキンシップをしていきましょう。

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🧩読み聞かせ、ちょこっとアドバイス

絵本には対象年齢があります。

ですが、
基本的には子どもが読みたい本や
大人が読みたい本を読んで大丈夫です。

保育の現場では、
読む環境や声のトーン、
身振りなど気をつけていることは
たくさんありますが、
今回は大事なところだけ

ちょこっとアドバイスをいたします。

🧩【読み始める前に環境を見直す】
→子どもが集中して聴ける環境か、
 近くに気が散るものは置いていないか
 確認しましょう。

🧩【ゆったりと読んで声に抑揚をつける】
→これができると
 リラックス効果、集中度アップします

🧩【大人はあちこち挿絵を指ささない】
→ 子どものペースで
 子どもが気づくまで
 待ってあげてください。

 先に仕掛けなどを知らせると
 自分で気づける機会がなくなり
 感動が薄れてしまいます。

🧩【子どもに全部読み終えないで
  ページをめくられても気にしない】

→ 文を読み切る前に子どもに
 めくられたら気にせずに
 そこからまた続けましょう。

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🧩「もう一回」に応える

読み終わった後に
子どもが「もう一回!」
ということがよくあります。

これはとても物語が面白かった証拠です。

そして、
大人の読み方がうまかった証拠”です。

大人は、
「またー?同じ本だよ?」

という気持ちになりますが、
「もう一回」読みたい気持ちの中の一つに、
”予測と安心”があります。

子どもは、
もう一回同じ内容を読むことで、
ストーリーを追いながら、
次の展開を予測します。

そしてページをめくって、
自分の予測と結果が同じことに安心し
絵本の理解が自分のなかで
深まっていくのです。


絵本の理解が深まっていくと
挿絵の仕掛けや秘密に気づいたり、
登場人物をさっきよりも
もっと頭の中で動かしたり、
想像力をより育むことができます。

いかがだったでしょうか。
子どもが持ってきた絵本を
ただ読むのでなく、
こうした効果や背景を知っていると
子どものために読みたい気持ち
つながりますね。

子どもが好奇心を抱いているときに
さまざまな種類の絵本を
繰り返し読むことで
知育にもとても効果的です。


また、
繰り返し読んでもらえている経験から、
共感能力や自己肯定感の高まりへの
効果が期待できます。

絵本の機能や効果、
特色を知りながら
お子さんとのゆたかな
絵本の時間を楽しまれてください。

最後までお読みいただき
ありがとうございました🍀✨

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